学校法人 大和学園 大和青藍高等学校

今日からスタート

志(こころざし)高く抱きて卒業す

 心に残る実のある卒業式だった。実のあるとは、努力を惜しまず積み重ねた成長を感じたからだ。
校長の式辞で目を潤ませ、涙を落とすまいと天井を見上げる生徒。彼らの胸中は頑張ってきたからこそ様々な思いがこみ上げているのだろう、と感じた。答辞はもちろん、送辞でもあちこちで鼻をすする音が式場に響いた。 その答辞の中で、特に印象深い言葉が、次の2つだ。
「横にいつもいてくれた副会長の植野が最後の校内放送を終えた時、突然泣き崩れた姿に、私の心もとても熱くなりました。」と 「私の大好きな大和青藍高等学校は『チャレンジ』という言葉が似合う学校です。」
 たくさんの困難を乗り越え、さまざまな挑戦をさせてもらったことに心から感謝していることと、大和青藍高校の良さを感じ、心から好きだと言っているからだ。
 私たちは面倒なこと、辛いことから逃げようとする。時にはそれを誰かのせいにして、傷つけたりしている。しかし、先輩方はそれを直視し、踏ん張って、よりよいものを残そうとチャレンジしてきた。失敗しても成長し続けた。三年での退学者はゼロ。欠席・遅刻もほとんどなし。高校最後の卒業の日を次なるステップと捉え『卒業はスタートだ』と言っている先輩もいた。
 そのような先輩の姿に学び、より良い学校生活を、より良い文化を築き上げる。私たちの私たちらしい、新しい文化を、共に認め支え合って作り上げていかねばならない。 今日はそのスタートの日だ
 
     牛     新見南吉
    牛は重いものを曳(ひ)くので、
       首を垂れて歩く。           
    牛は重いものを曳くので、            
       地びたをにらんで歩く。          
    牛は重いものを曳くので、             
       短い足で歩く。                  
    牛は重いものを曳くので、                 
       のろりのろり歩く。                 
    牛は重いものを曳くので、                 
       静かな瞳で歩く。                 
    牛は重いものを曳くので、                 
       輪の音をききいりながら歩く。           
    牛は重いものを曳くので、                 
       首を少しずつ左右にふる。             
    牛は重いものを曳くので、                 
       ゆっくり、たくさん食べる。             
    牛は重いものを曳くので、                 
       だまって反芻している。               
    牛は重いものを曳くので、                 
       休みの日にはうっとりしている。           
                                
 3年キャリアコース学習した生き方詩集16編の中で一番人気の詩です。
 生徒が考える「牛」の詩の理想の大人像は 
   我慢強い    思慮深い   
   外見ではなく内面を磨く             落ち着いて冷静な判断ができる
      自分の使う道具を大切にする       嫌な仕事も黙って引き受ける      
      苦しみも全身で受け止める          泣き言は言わず地道に片付ける  
     人に振り回されない          感謝してゆっくりじっくり食べる            
       自分の生き方を持って貫く     軽々しい判断や行動はしない      
   力を尽くして懸命に生き     充実感を感じ、ゆったり過ごす
     自身の体をいたわりながらも ぼんやり、うっとり過ごす

                                                                           令和3年 3月4日  椎木八洲子 
 
 次は、風光る 春の日の柔らかな風が吹きわたる明るい季節となりました。そのイメージにぴったりの佐々木先生です。皆さんお楽しみに。